丁寧で素晴らしい出来の映画なんですけど美談に落として良いのかという疑問もあり…
役人というのは立場が上になればなるほど規則に従わないと仕事ができなくなる。というより、規則に則って淡々と処理しないととても時間も人手と足りないのです。
全然置かれている状況は違いますけど生活保護の認定なんかがまさにこれと同じ状況。
ケンが国のために、被害者のために仕事をしたいという純粋な気持ちと特別管理人という立場が合わさるとこうなっていまうのは当たり前なんですよね…
なので心変わりをして一人一人ちゃんと向き合わなきゃダメなんだという理想はわかるんですけどそれをどうやってやり遂げたのかという描写が薄くて説得力に欠けていたのが残念。結局ウルフを抱き込んだだけに見えてしまいました。その理屈もよくわからなかったですし…
とはいえ、マイケル・キートンの重厚な演技。特に細かい表情の演技は素晴らしかったです。さすが顔面力がすごい。
ファウンダーもですけどマイケル・キートンが主役でスクリーンタイムが長ければもうそれだけで強いです。
私はルールに則って計算するしかないと思います。日本の一律ばら撒きよりよほど誠実。