たいよーさん

ちょっと思い出しただけのたいよーさんのレビュー・感想・評価

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
4.0
2回目2022/1/31@ユーロライブ試写
『ナイト・オン・ザ・プラネット』と『自分の事ばかりで情けなくなるよ』を観たからこそ感じる、「らしさ」と随所に感じるエッセンス。器用な監督の凄みを覚える。


言葉に組まれたモチーフやアイコン。知らなかったから見えてこなかった輪郭を解きほぐす様に、『ナイト・オン・ザ・プラネット』の台詞を拾う。彼らも好きな作品であり、共に陶酔するアイコンなのである。ただ、今回のQ&Aで聞いてビックリしたのは、最初は男女が逆だったこと。しっくり来るのはこっちだった様で、正解だったと思う。そして、結構泣いた…。意味がわかっている、全て知っている…。でも、その瞬間は無垢な輝きを持っている。だからこそ刺さる。味が引き立ったことでより楽しめた。


ジム・ジャームッシュ監督作品を拝借しながら、クリープハイプと共作しながら、監督の味に仕上げている。ちょっとビターだけど、松居大悟監督らしい言葉選びもあって面白い。やはりハズレない。



1回目
やっぱり器用で魅せてくれる…なんて思う監督。凄く意図したところを客観的に見せてくれるので楽しいし、グッとくる。監督の舞台挨拶での話も交えながら記していく。


クリープハイプの「ハイプ」を取ったという映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』からインスピレーションを受けた楽曲を昨年、尾崎世界観が制作。そこから映画にしたという。コロナ禍でマスクをしているシーンはあるものの、時代を記すためのアイコンとして機能している。

最近良く見るエモ系の寂しいラブストーリーかと思ったら、結構ベクトルは違うと思う。 7/26を繰り返していく中で変わり続ける関係を細かく描いていく。凄く2人芝居であるのだけど、2人の人生の中にいくつもの人がクロスしていって、その変化に驚きと優しさを覚えながら進んでいく。

キャストも割と出ているが、タクシーの乗客によるワンシーンが多め。しかし、河合優実さんや尾崎世界観さんといった方の変化も帯同していることで、経過に気づきをくれる。エモいんだけどハマりすぎてちょっとシンプルに感じた。随所にモチーフとなった作品の色を感じさせているっぽかったので、あとで観たい。

何処まで言っていいのか分からないのでこの辺で。下にネタバレ付きでQ&Aの箇条書きを記しておく。ヤングアダルトに響く優しい言葉、最後に腑に落ちる感覚がたまらない。
たいよーさん

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