ちょっと思い出しただけの作品情報・感想・評価

「ちょっと思い出しただけ」に投稿された感想・評価

touko

toukoの感想・評価

5.0
「あの人どこでなにしてるんだろうな」とか「元気にしてるかな」とか。

過去にとても大切な時間を紡いだ人との思い出が、ふと蘇ってきて懐かしんで物思いに耽ってしまう瞬間がたまにある。

思い出すのってほんの僅かな時間なんだけど、その僅かには他人は決して介入できないし、他人が想像できないくらいたくさんの思い出が詰まっていて、美しさや悲しさや苦しさや楽しさが混沌と存在していて。

それを一纏めに「いい思い出だ」とかって肯定できる人もいれば、そうでない人もいると思う。

ただ、その記憶のどれもこれもが今の自分を構築していて、全てが現在につながってる。これは誰の思い出にも共通して言える、確かな事実。


今作はそんな考えを根底に持った映画。これまでの過去を肯定してくれる優しさを持っている。

男女の別れから出会いまでを遡って描くラブストーリーと聞いて「最近よく見かけるエモい系失恋映画か…」なんて思っていた。そしてそんな期待はいい意味で裏切られた。

同類作品にあるようなエモの押しつけもないし、クサくて思わず笑っちゃうみたいな嫌なシラケもない。

何より、観客が置いてけぼりを喰らってしまうほどの作られすぎた2人の世界がない。

いやもちろん2人で築き上げた世界は確かにあるんだけど、決して観客が入り込めないようなものではなくて。

2人の関係はただただリアルでいて、とても愛おしい。愛おしすぎてそれだけで心が満たされてしまうくらい。

そしてその世界観を体現した伊藤沙莉と池松壮亮の2人が本当に素晴らしい。
息の合った、というかもはや合いすぎた掛け合いの数々。本当のカップルにしか見えなかった。

2人の間には色々あった。もちろん楽しいことばかりじゃない。辛いこともあったし、ぶつかることもあった。それでもそんな過去が今につながっている。過去があるからこそ今がある。

だからなんだって言われたらそれまでだけど、そんなメッセージに少なくとも私は救われたし、これからはもうちょっと自分に優しくなれる気がする。


2人が紡いだ時間を通して見えてくるのは、過去と今のつながりの他にもう一つある。それは日常の愛しさだ。

コロナ以前の日々を生きる平凡なカップルを目の当たりにして、日常がすぐそばにあった頃がとても恋しくなってしまった。

早く当たり前の日々が送れるようになるといいな。日常が私たちに寄り添ってくれていたあの頃が輝いて見えるな。

会いたいな、日常に。

そういえばあの時出会ったあの人、元気にしてるかな。
n

nの感想・評価

3.8
「新しい今」がある以上、過去を蒸し返したり過去に浸ったりする事は決して美しいことではないと思っていました。それは今の自分も今の自分の隣にいる人も否定することに繋がると。
でも、真逆で、過去の自分を慈しむことが出来てはじめて今の自分を大切にしたいと思えるんだとなと気付かされました。
”過去があるから今の自分がある”
言葉では分かっていても今までは中々腑に落ちず、
振り返ると圧倒的に後悔のほうが多い私にとって、過去を認めるというのはとても難しいことでした。
でも映画をみた今日だけは、過去を無かったことにするのではなくしがみつくのではなく、今までの人生に感謝しようと思えました。
少しずつそう思える日が増えていくといいなと思います。
それから、自分の大切な人の過去にも寄り添える人でありたいと、そんなふうに思える作品でした。

結局愛ってなんだ?
と作品を見て、もっと愛の定義が広がった気がしますが、
大事なのは愛に向き合うことなんだと思います。
私が考える愛へ向き合うとは、
自分を認め、自身に嘘つかない事です。
自分を認めることが出来て、はじめて相手に向き合うことができると思います。
自分を認める=過去を認める 
人間関係において少し感じてた息苦しさは、この部分が足りなかったのかなぁと思ったりもしました。

良くも悪くも日々変化していく愛を
きちんと受け止め、受け入れていくことができれば、これからの人生がもっと明るく生きやすくなる気がしました。

この作品に出会えてよかったです!

このレビューはネタバレを含みます

役者全員が本当に役にあってて自然すぎて…
特に池松壮亮のテルオは色気と魅力が爆発していて安直に恋した(笑)。
てか、あんなの女のスキが詰まりすぎてる…。
時間逆進行の展開も良かった!
始めは???だったけど、進むにつれてどんどん感情移入ができて、物語にものめり込んでいってグッときた。
別れた理由もとてもリアルだし、テルオの気持ちもヨウちゃんの気持ちも両方わかるからこそやっぱり恋愛って難しいよなって。
恋愛したことある全人類に刺さるんじゃないだろうか…“私”の物語感。エモい。
栞

栞の感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ジャームッシュの『ナイト・オン・ザ・プラネット』は同じ時刻のさまざまな都市で起こる物語を描いているけど、本作は同じ場所で起こるさまざまな時間軸の2人が描かれている。たしかに存在した2人の尊い日々がとんでもなく愛おしい。別れて終わりではなく、現在から過去に遡って出会って終わる構成も好き。それと、伊藤沙莉ちゃんの底抜けの明るさが確実にこの映画を引っ張っているし、本作がエモーショナルに振りすぎていないのも沙莉ちゃんだからだと思うのでキャスティングが素晴らしい。松居監督がラブストーリーを撮るとこうなるのか…最高だ…
Sohey

Soheyの感想・評価

3.4
ひと組の男女の現在〜過去の数年間の恋模様を1年のある1日だけを通して振り返る。

夢だけを一生懸命追っていたあの頃、付き合う前のドキドキ、予期しなかった出会い、終わりが近づいている気配。

池松くんと伊藤沙莉さんの雰囲気良いな〜。ナイト・オン・ザ・プラネットの真似もかわいい。この作品の河合優実さんも素敵だった。
自分の感覚では「ちょっと」思い出しただけだし、刹那的な心の揺らぎでしかないのも確かなのだけど、その「ちょっと」には膨大な想いが凝縮されているわけで、瞬時に記憶が呼び起こされてしまう程には刻まれているわけで、「ちょっと」思い出すくらいが丁度良い。

そんな風に感じさせてくれる素敵な作品だった。
kawashiman

kawashimanの感想・評価

4.0
あらすじを読むと、真面目そうで少し重たそうな印象を受けるが、決してそんなことはなく、タイトルがしっくり。
池松壮亮くんと伊藤沙莉さんの芝居が、どこまでが脚本でどこからがアドリブなのかわからなくなるぐらい自然体。特にラブラブな長回しのシーンは、くだらないことに夢中になる2人がホッコリと甘酸っぱくて、こちらも思わず笑顔になってしまう。
冒頭の20分がややスローな展開で、どこに向かっているのか内容もややわかりにくい。話が過去に遡っていくということだけ気にしながら観た方が楽しめる。
とにかく伊藤沙莉さんがめちゃくちゃ良い。
屋敷さんの登場シーン、ウザい!けどハマり役でとても良かった笑
ヨラ

ヨラの感想・評価

3.9
松居大吾は苦手だったけど、すごくよかった。昔の恋人のことをすこし思い出した。ただそれだけ。でももし…とかね
poggy

poggyの感想・評価

3.7
見終わった後の感情が、
「La La Land」を見た後に少し似てた。

悲しくはないけど、切ないような。
温かくて、心が締め付けられるような…。

伊藤沙莉と池松壮亮のラブラブな時が、
とてもリアルで可愛かった。
2人で一つのケーキを食べながらのプロポーズ予告のシーンが特に。

脇のキャストも、けっこう豪華。
永瀬正敏、高岡早紀、市川美和子、成田凌…そして、ニューヨーク屋敷!笑
よこ

よこの感想・評価

3.8
TIFFで鑑賞。

過去の再解釈もの、割と好き。
いろんなものから隔絶されたように感じてしまう最近だけど、繋がってる。
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