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ちょっと思い出しただけのkeiyuのレビュー・感想・評価

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
4.4
この作品、映画ならではの虚構性を保って、もしかしたらあるかも…なんなら一部は知ってるぞ、くらいの恋愛物語に組み込んでいることが1番魅力的だと思う。胸の痛覚を刺激するようなリアル性と、こんなことあったら良いよなぁていう憧憬を行ったり来たり。
そもそも年を遡り、同じ日付を振り返るこの構成。冷静に考えて、んな都合よくドラマチックになるかよというフィクションが前提にあるのを忘れさせる。
それほど本当ぽさ、あるいは本当だったら良いなの映え方がすごい。
さらに反復と差異による心地良いリズム感と遡っているのに進んでる感じ、あの葉の舞台批評をまさに映画そのものが解答を示したよう。
人物に関しては、好きなもの・ことをただの消費でなく、個人的な視座から想いが溢れ、伝わるシーンが幾つかあって嬉しくなる。だからこそこの2人には幸せになって欲しいと思えた。
照明も印象的。同じ白系統でも寒色ぽいのと暖色ぽいものの使い分けや
あるいは寒色、暖色が一緒に灯ってるあるシーンとかちゃんと気が利いてると思う
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