キャスティングがめちゃくちゃ良かった。声が低めでサバサバしている伊藤沙莉と声が高めでゆったりしている池松壮亮という組み合わせが新鮮。
しかし、2人の別れから出会いに遡っていく、まさに『メメント』のような演出は、正直成功していないように感じた。ややこしい。日常系の恋愛映画なのだから、『メメント』みたいに複雑に難解にする必要は全くないし、むしろより伝えるためにこの構成にしたはずなのだから、西暦を明記するなりしてもらえると、まだわかりやすかったかもしれない。
邦画は、2人のその後を観客の想像に委ねずに、ラストまで語り切る映画が多い気がするのだけど、その方がすっきりして好き。 本作も、葉に子供が生まれるまで描いている。
あと、この2年以上続いているコロナ禍を、映画内に取り入れてる作品って意外と少ないと思うのだけど、本作はしっかり描写している作品の一つ。30年後に観たら、どう感じるんだろう。コロナを知らない人が観たら、なんで皆マスクしてるんだろう?とか思うのかな。
おまけ感想
大関れいかが、アイデンティティ無さそうな量産型女子を結構上手く演じてて何だか感動した。高校時代、あるあるを沢山作っていただけある。映画の中で誰よりも演技が上手いと感じた。
あとは、成田凌は日常系恋愛映画に百発百中でカメオ出演している気がする。正直なとこ、また出たよという感じ。