ヘイミッチ

ちょっと思い出しただけのヘイミッチのレビュー・感想・評価

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
3.9
超久しぶりに自ら邦画に手を伸ばしました。

主人公が現代の東京で暮らす若き男女という余りにも自分と同じシチュエーションである今作では、リアルな日常や会話劇を描いているとの噂だったので、ならば自分とどれだけの差分があるのか、フィクションの中のリアルとは果たしてどれだけの精度なのか、確かめたくなったのです。

結論から言うとまんま自分過ぎて爆死しました(恋愛面は置いておいて)。
この映画が凄いのは「ナイトオンザプラネット」の扱い方ですよ。オマージュでもなく、ただのサブカルアイコンでもなく、西洋圏の映画の登場人物に憧れて、影響を受けるアジアの普遍的な若者を描写する為の的確すぎるツールなのです。

自分も昨年、鬱々とした心情のもと夜中にナイトオンザプラネットをみてエモを滾らせてたので、クリティカルヒットです。頭ぶち抜かれました。
字幕か吹き替えか論争も余りにも日本人過ぎる会話というか、自分はこの論争がダサいと思っているので沈黙しがちですが、そういったとこも含めて爆死です。

何故自分は邦画が苦手なのかを嫌になるほど突きつけれたというか、だってそれはいくらリアルでも、逆にどれだけリアルとかけ離れていても、自分との差分を常に意識させるから。日本が舞台で、日本の俳優でと云うだけでもうダメなんです。

結局自分が映画に求めていることは現実逃避なんだなと強く実感する経験にもなりました。
普段みないものを観ると、色んなことに気が付きますね。自分がなんと生きずらい生物なのかも含めて。