肥満児フィン

麻希のいる世界の肥満児フィンのレビュー・感想・評価

麻希のいる世界(2022年製作の映画)
2.9
早稲田松竹試写会にて。自分が苦手なタイプの作品だった。役者が声を荒げながら感情のぶつけ合いを繰り返すタイプの映画。少女2人の百合的関係、そこに介入する男達。監督がフェミニストなのか、あるいはそういう嗜好なのか分からないが、女性を引き立たせる為に登場する男全員を徹底的に醜くするやり方は個人的に好きじゃない。特に、祐介とかいう主人公の幼馴染であり彼女を長年片想いし続けているキャラクターの描き方は、あからさますぎて鼻につく。井浦新が演じる由希の母親の再婚相手も、年頃の女の子からすれば一番関わりたくないようなポジションである。そこに加えてヒロイン二人をナンパして半ば強姦する男三人組。もう、ここまで来ると男性視聴者を潰しにかかっている。それでもって上映前、今作の監督である塩田明彦は、「この映画は僕にとってのブレッソンの少女ムシェットなんです」などと言っていたのを振り返ると中々寒気がするものである。まあ、現代のフェミニスト達に見せればさぞ喜ばれる作品なのではないだろうか?
妖艶なラストシーンが救い。