麻希のいる世界の作品情報・感想・評価

「麻希のいる世界」に投稿された感想・評価

あらゆるマイナー性が相対化され
ステータス化された令和を
90sの塩田明彦がどう描くのか。

いってしまえばネット漫画的な描写、アニメ世界に似たようなフィクションを感じたが、それもそれで彼なりの今日的若者観なのかもしれない。
『害虫』が大好きなのでちょっと頭を傾げてしまった。テーマは似てるけど。
ぶっ飛んでいそうで、整合性を保とうともしていたので、そこまでノレなかった。

ある種の逃走が音楽にあるのかもしれないし自分もそう思う。
麻希の歌は響きました。
受難の映画。
信仰ともいえる気持ちをかかえた女性が経験する受難。『さよならくちびる』の次回作と考えると後味は良くないが打ちのめされる。

由希の麻希への「信仰」は歌を聞く前に始まっている。それから、いくつもの受難を経てすべてを失い、観客にも「信仰」を同化させた上で放り出すのは意地の悪さか何なのか。

この映画、ラスト30分がカットされたような印象を受ける。そこに何を観るかという映画なのかもしれない。正直に言えば自分は「神はいない」と思った。

それにしても、塩谷監督の近作に感じる80年代少女漫画っぼさはなんなんだろう。いや、すきなんだけどね。紡木たくにコミカライズしてもらいたい。

海辺の廃墟というロケーションが最高で、あの廃墟で過ごす最後の時間を「外から」撮るところが白眉。
悪い噂を纏って学校内で孤立しているが音楽の才能がある女子高生:麻希と、彼女をひと目見た時からカリスマの幻想と愛しさを抱いた病弱な女子高生:由希が、明るい青春を送ろうともがいたところで不条理なこととやるせなさに襲われるリアリズム路線の青春映画だ。

麻希の住む砂浜の掘っ立て小屋や高校の教室、校庭のベンチといったロケーションが侘しさや大衆性、その中での静けさといった物語を感じさせるのが良い。

麻希を演じる役者の目の座った感じが印象的で、彼女が束の間、スタジオ練習でバンドと一緒にギターを手にしてThis is 向井秀徳な挿入歌を歌うシーンのエネルギーを感じさせるところも良かった。
(調べたら『排水管』という去年フジロックで初披露されたナンバーガールの新曲だった)

山田かまち氏の死因をオマージュしたであろう、一見トンデモな不条理もおもしろい。

ただ、そういった良いところが全てファッションに思えてしまうような、話と役者への演出があったと思う。

麻希のキャラクターは典型的なファム・ファタールであり、登場人物は皆、性欲が根源で動くと節々で印象付けており、物語をやるせない方へと傾かせる不条理なことのきっかけにつながるのは強引ではあるものの、わかる。
ただ、とことん状況を拗らせて悪くしてやろうという制作側の意思が感じられるその不条理なことの結果の都合の良さに、しらけてしまった。

そして、役者の声が力強く叫んでいる状態でどうにもならない状況や感情を事細かく説明しているシーンの多さが目立つ。
特に由希と祐介、スタジオ練習のドラマーの男がそんな感じで、若さというものへの偏見が過ぎると思った。
センセーショナルに感じるまでに至らなかった。

始まって10分ほどは一目惚れの緊張で台詞が全く無いが、それ以降あらゆることを力強く主張させまくり、不条理なことが起きた後には都合良く別の病気で声を失わせるし、この映画の最後のカットに関しても由希というキャラクターの制作者のおもちゃ感は強いが、寓話性が高いので演劇で見られたらより良かったのかもしれないと思った。
odyss

odyssの感想・評価

3.5
あまり期待しないで鑑賞したのですが、拾いものの映画でしたね。

女高生の青野由希(新谷ゆづみ)が、同じ高校の牧野麻希(日高麻鈴)に惹かれていくというストーリーです。

女同士の友情を描いているのではありますが、病気を抱えている由希と、校内での評判がきわめて悪い麻希とは対照的な存在です。

ここでのキャスティングがうまいですね。由希を演じる新谷ゆづみは、初々しいけれど真っすくで、だからこそ危ういキャラクターにぴったり。逆に、麻希を演じる日高麻鈴は、どこかスレた印象を与えます。

ひたすら麻希のプラス面を信じて邁進する由希が、魅力的であると同時に危なっかしい。

つまり、この映画は、「悪評にさらされている生徒」が、実は「真人間」だったというようなありがちなパターンにはまっていないところがいいのですよね。

個人的な話になりますが、私もむかし、といって高校生時代ではなく、就職して三十歳になったころ、職場内で浮いている先輩を救おうとしたことがありました。
愚かだったんですね。つまり、浮いている人間には浮いているだけの理由があるわけで、そういう評判が根も葉もないということは、ないんです。私も、救おうとした人間にやがて手ひどく裏切られました。評判の悪い人間には、それなりのワケがあるんだということを、三十代になってやっと理解したわけです。

映画に話を戻すと、由希ちゃんには、これを教訓にして、ハズれた人間には距離をおいて、しっかり生きて欲しい。由希ちゃんなら、それができるはずだと思います。
記録
なかなかにイカれた世界だった。体調によって評価が変わりそう。
SUGIBO

SUGIBOの感想・評価

3.0
2022年 80作品目


 由希と麻希の「百合の世界」
 2人の女子高生の「ピュアラブ」
 では無かった。

 まぁ〜。これでもか!って位、
 主人公の由希に不幸を背負わせ過ぎ。

 新人アイドルの登竜門、
 昭和の大映ドラマみたいな展開。
 そんな映画です。


 この作品をロイター板にして
 主演の2人、新谷ゆづみ 日髙麻鈴
 高く飛んで欲しい。
 2人の未来に期待しましょう。

このレビューはネタバレを含みます

向井秀徳氏のクレジットと女性2人の映画であることだけ事前知識としてある中で視聴。結果として短時間での感情の起伏が激しく、視聴後にどっと疲れる映画となった。

序盤の2人のコミュニケーションにおいて、麻希は少し距離をおいた妖艶な笑みを浮かべ、ミキは歪なほどに距離感の近い人懐っこさを見せる。淡い色使いに少し色飛びした絵、そして最後に歌われる麻希歌唱の"ざーざー雨"。
夢見心地が過ぎてこの後の現実が容易に予想できる点が良い。その後、麻希がどれだけ自分を杜撰にした生き方をしてるかなどをミキは追体験する。どんどん周りの環境は崩れ、元に戻れないほどに崩壊していく。

壊れゆく世界の中で、ミキは麻希に固執する。この時点で自分の映像への探り方が間違っていたことに気がつく。
きっとミキは麻希が好きな理由なんてない。なんとなく、巡り合わせ、それ以上でもそれ以下でもないんだなとここでやっとわかる。
どこか説得する論理のようなものを物語に求めがちであった点を反省した。

記憶を失った麻希には排水管の音源は本来の過程などを無視されて麻希に届くし、ミキは麻希と理想の関係になるこたはもうないだろう。でも、この世に存在してるというだけで喜べる、そういう存在がいることは何もおかしいことではないなと思う。
み

みの感想・評価

2.9
たくさん???のところがある
演出や台詞回しの違和感があり好みじゃなかった…麻希の歌以外の音楽がないのとか、歌唱力と歌詞、絵の作りは良かったです

このレビューはネタバレを含みます

 脚本と役者の演出が苦手だった。彼らはただ闇雲に叫び続けさせられるだけ。画作りへのこだわりや効果的な反復を企んでいることは感じられるが、現れる登場人物がそこに適切な情感を湛えることには一切寄与しないし、その逆もまた然り。冒頭の出会いのシーンで麻希よりも先にその相手をしていたと思しき男性を映してしまうのは一体どういうことだろう。
 醸し出す超越ぶりと音楽に対する姿勢(思想)の拙さが釣り合わない麻希。何も効果的な演出が為されていないために、自分自身の心情や行動原理を過剰な言葉で説明させられる祐介。由希に至っては、発声による演技を挽回することなく、2度目の気絶の後にその声を奪われる始末。こうなっては、後は自動操縦され、ただ3度目の気絶へと向かっていくだけなのである。
Gocta

Goctaの感想・評価

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難病を患った女子高生の同じ高校の自由な女子高生に対する想いと行動を描いた映画。麻希に対する想いが何故そこまで強いのか、どうして男と寝るのか等、由希の行動が理解できなかった。また、演技も演劇のようで鬱陶しく感じられ、好きな映画ではない。
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