Haru

ホーンテッドマンションのHaruのレビュー・感想・評価

ホーンテッドマンション(2023年製作の映画)
4.5
Filmarksさんご招待で、ジャパンプレミアにて吹き替え版をひと足先お先に鑑賞させていただきました。

結論、期待の数倍良かった。
2003年に公開されたエディーマーフィ主演のホーンテッドマンションが大好きだっただけに、そちらと比較してしまうのが怖かったのだが、あれはあれ、これはこれだった。
エディーマーフィ版はアトラクションを踏襲しているわけではないので、あくまでもホーンテッドマンションという世界観を元にした映画作品という印象。
本作は、元ディズニーキャストを務めていた方が監督をされているということもあり、アトラクションのホーンテッドマンションを想起させるカットが散りばめられていて、アトラクションのスピンオフを見ているような感覚だった。

プレミアで、映画について吹き替えキャストの土屋アンナさん、片岡愛之助さんが「映画を見たら、思わずホーンテッドマンションに乗りたくなってしまう」とおっしゃっていたが、まさにそう。
まんまと乗りたくなっている。
あれやこれやを確かめたくなっている。

今回は2Dでの通常鑑賞だったが、4DX版で見たら、まさにアトラクション感覚だろうなと想像がつくので、今度は字幕版を4DXでぜひとも鑑賞してみたい。

個人的に、普段洋画は字幕派で、あまり吹き替えを見ないのだが、キャストの皆様の演技が大変ナチュラルで、まったく違和感を抱かずに見ることができた。
特に、八代拓さんは、あらかじめ八代さんだよと言われなかったら気づかなかったかもしれない。

また、八代さんが「いろんな愛の形の物語」とお話しされていたが、まさにこの物語のテーマになっていて、素晴らしかった。
ホーンテッドマンションというアトラクション自体が好きということもあるが、この作品のテーマ性が好きだったこともあり、私としては何度でも見たいと感じた。

ネタバレを避けるためにぼんやりと書くが、愛する人を亡くしたことがある人は誰しも共感できるストーリーだと思う。
大切な人をこの世から失い、自分もあちらに行ってしまいたいと願うほどに生者の世界に絶望したことがある人であれば、感情移入して、思わず涙してしまうのではないか。
私はそちら側の人間だったので、あるシーンで涙が止まらなかった。

死者は死者の国で、生者は生者の国で、己の天命をまっとうしなくてはならないのだなぁと、見終わった後にはパワーをもらえた。
(死者の天命、というのはいささか変な表現かもしれないが)

最後に、作品内で「幽霊のウィンク」という考え方が出てくるのだが、その考え方がとても素敵で気に入ったので、故人を想って少し悲しい気持ちになったり、何もかも上手くいかなくて落ち込んだときは、「幽霊のウィンク」が訪れるといいなと願って、日々悔いの残らないよう、毎日を全力で生きたいと思った。
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