のぴお

名付けようのない踊りののぴおのレビュー・感想・評価

名付けようのない踊り(2022年製作の映画)
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ダンスについて明るくないので御仁の踊りのどこがどうとかは正直分からない。(不勉強をどうかご容赦されたい。)
ただ、「ダンスとは、その単語が、そもそも言葉自体が生まれるより以前から、存在した行為であって。私だけが踊っているのではなく、私とあなたの間の空間に生まれるものがダンスなのだ」という(ざっくりそんな感じの内容の)発言が印象的だった。

時空間に対する解釈とその反芻。
それを身体表現を以て時空間に対してフィードバックをかけていく。この営みはまさに生きることそのものではないか。
未知の物事や困難、あるいは、友人や恋人など自身とそれ以外の時空間に対して、自分なりに解釈したうえで応答し、それに対する変化を観て、また解釈と応答を繰り返す。

足るを知る、ではないけど、生きることの美学というか、なんというか。大切なことを教えられたような気がして、映画館を出たとき、なんとなく、背筋が伸びる気持ちがした。
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