すみ

よだかの片想いのすみのレビュー・感想・評価

よだかの片想い(2022年製作の映画)
3.9
初恋の喜びと切なさと痛みと。
大人になっても、アイコは顔のあざを化粧で隠さない。それは、よだかと同じでいくら醜くてもあざこそがアイコをアイコたらしめるものだから。消せるとわかっても躊躇ってしまうほどに、アイコはあざに自分を見出していたのかな。
飛坂との初恋を経験して、あざではなくてしっかり自分自身にその視線を向けられるようになった....ということなのだろうか。飛坂のあざをきっかけに向けられた自分への感情を知り、改めて自分を見てほしいと感じたのかな?

「自分を全部曝け出して受け入れてもらう必要ないし。人間は裸で生きる生き物じゃないんだから」
最後の屋上でのシーンは伸びやかに飛ぶ鳥のようで、すごく美しかった。

小さい頃に琵琶湖と揶揄してきたクラスメイトは意外と悪気なくて、先生の「酷いこと」という言葉でみんなが気を使い始めてしまうというのがすごく残酷ででも現実的なエピソードだなと思った。

青木柚くんがよかったな。
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