静かなる侵蝕のジョーのネタバレレビュー・内容・結末

これは父と息子の話で、戦争PTSDを抱えた元兵士の苦しみである。いつ暴発するかわからない頭の中の怒り、不安を頭に虫が寄生しているせいだと思いこんで自分の正常さを信じこむしかなかった。息子への愛情だけが少しだけ彼の不安より勝った。息子の父親への献身が切なかった。父親を英雄だと思いたい子どもの感情はわからないでもないし。弟がとにかく無邪気に何しでかすかわからないのでちょっと静かにしてくれ！とハラハラするが、兄がしっかりしすぎるほどなのは不安な父を見てしまっているからだろう。
タフで子持ちのリズ・アーメッドは初めてだなとわくわくしたらあらすじのSF感を裏切るロードムービーだった。あらすじどうなのこれ。リズ・アーメッドの美しいまなこで絶望を語られると同意せざるを得ない。