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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島のNAOZYのレビュー・感想・評価

3.6
安彦良和監督の最後の劇場アニメ作品ということで観てきました。
最後にまさかのククルス・ドアンをチョイスするところは安彦さんらしい。
高畑、宮崎コンビの名作劇場での人間ドラマをガンダムで描きたいというコンセプトなんだろうと思います。
TVシリーズ版と比較すると子供の数が増えてますし、島での日常生活も丹念に描いてます。
戦時下に脱走兵になり戦争の孤児たちと孤島で暮らすククルスドアンたちへの愛情溢れる描写の中に連邦軍とジオン軍の駆け引きを織り込んだ反戦映画として見ることもできます。それに加えて連邦軍がオデッサへ進軍するというのも今のウクライナ情勢を考えればタイムリーとも言えます。
ホワイトベースの人間関係はTVシリーズを見てないと分かりづらいところもあると思います。
もともと未成年民兵たちの群像劇として描いてきたので登場人物が多く全員を説明していくには尺が足りないというのは分かります。
しかし、肝心のククルスドアンがなぜ戦争孤児たちを孤島に連れてきて共同生活しているのか?サザンクロス隊との対立の理由は?など説明不足なところもあります。
それでも後半のガンダムとザクの戦闘を最新のCG技術で魅せてくれたのは良かったと思います。TVシリーズでは作画崩壊とまで呼ばれた不名誉なエピソードを現代の技術で蘇らせた意義は大きいと思います。
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