シャカッチ

君を愛したひとりの僕へのシャカッチのレビュー・感想・評価

君を愛したひとりの僕へ(2022年製作の映画)
3.6
原作は買ったが、未読。

同じ主人公の、平行世界における別々の恋愛模様をそれぞれ映画にし、両方見たときにそれぞれの世界がどう干渉しあっていたのかが分かるという中々に面白い試みの作品だった。

さて、公式曰く、こっちの方から見ると「幸せなラブストーリー」になるらしい。
まぁ、こっちの作品単体が一般的には、切ないラブストーリーになるだろうから、結局この順番というのは、チョコとコーヒーのどっちを先に摂取するかって問題に近いと思う。先に摂取した方が、あとに摂取するものの味(甘味 or 苦味)を一層強く感じさせるようなもの。
こっちから見ておけば、先に切ない思いして、後でハッピーエンドを見てスッキリ。
「僕愛」から見れば、先に幸せなストーリーを見た後に切ない思いをさせられて、感傷マゾが喜ぶようにな雰囲気に。

この作品の方が、単体としても「僕愛」よりすんなり見れるし、SFの設定云々も小難しくてよく分からんって人でも「時空を越えたラブストーリーってとこか!」と割りきれば、見れてしまう。
ただ、こっちはエンドロール始まっても、席を立たないで。須田景凪の主題歌が流れる間、ちゃんとTVアニメのエヴァのEDみたいな映像を眺めててください(笑)

さて、逆に、SFの凝った設定とその考察が大好きな人で「僕愛」から見たという人には、この作品はマストで鑑賞しなきゃいけないぐらいの内容補完がなされている(栞の存在が「僕愛」では浮き気味なのでこうなるのは必然とも言えるのだが)。
設定面や世界観の内容の比重としては、
「僕愛」:「君愛」 = 6 : 4
(私個人の考えですが)。

1点だけ、ピンポイントで不満を言いたい。
黒ビール注ぐシーン。あそこの作画か、CGかよく覚えてないが、どうにかならなかったのか…
正直、劇場作品クオリティーじゃなかったという印象。ストーリーの上でも、主人公にインスピレーションを与えるそこそこ大事なシーンなので。もっと質にこだわってほしかった。

ヒロインはこっちの方が好き(^^)
っていうか、あんな儚げな黒髪ロング女子が白ワンピってだけで反則なのに、その上、その姿で幽霊になっちゃって…
アニオタにはドストライクでした。
シャカッチ

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