Jun潤

僕が愛したすべての君へのJun潤のレビュー・感想・評価

僕が愛したすべての君へ(2022年製作の映画)
3.5
2022.10.17

予告を見て気になった作品。
別の世界を舞台にしたラブストーリーが交錯し、まさかの2作品見ることで完成するというなかなか攻めた企画。
今回は時間の都合上君愛→僕愛の順。

両親が離婚し、母と厳格な祖父と共に暮らす高崎暦。
祖父が亡くなった日、別の並行世界の自分と意識が入れ替わる経験をする。
それから時が経ち、高校生になった暦は、突然違う並行世界では恋人同士だったと言う同級生の和音と出会う。
そんな和音と共に歩む、二人の人生、避けられぬ悲劇、愛の結末。

君愛からの続き。
いや、こっちの方がいい、というかこっちだけでよくない??
君愛を観ていたから栞の存在に違和感はありませんでしたが、今作だけで観ると栞が突然生えてきた存在すぎる。

どうしても順番的に君愛と比べてのレビューになりますが、作画とキャラもこっちの方が好みですね。
君愛が顎の殺傷力高めだとしたらこっちは頬の殺傷力が高め。
演技も暦のキャラクターが僕愛の方が安定していたので、宮沢くんの演技も聞きやすさがありました。

君愛は設定を細かく説明してキャラではなく設定で話を進めていたのに対し、僕愛はちゃんとキャラクターの掛け合いでもって話を進めていたので好感は高めでした。
あと和音と暦の関係も、並行世界の設定ではなく高校生の幼稚なプライドを原点にしていたので、ここでかなり好きポイントを稼ぎましたね。
暦と和音の関係からクラス全体の仲が良くなるなろうっぽさは二作共通

今回、順番が君愛→僕愛だったので、和音というキャラクターに沿うには適切めな順番でした。
君愛から見るとsweet、僕愛から見るとbitterという宣伝文句でしたが、たしかに和音に沿うとその通りだったとも思えます。
二作のタイトルについても、君愛だけ観るとよくわからず、僕愛を観ると初めて両方の暦のことだと分かる仕掛けになっていて、これについては、二作どっちも観ることを前提にしている宣伝にしては違うんじゃないかなと思ったり。
どちらかの鑑賞だけでもいい気もするけど、かと言ってどちらの方がオススメと言えるわけでもなく、じゃあ二作とも観てとも言い切れない、攻めた企画とは思いますが攻めきれていなかったかなぁ……。
Jun潤

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