ツクヨミ

レイジング・ファイアのツクヨミのレビュー・感想・評価

レイジング・ファイア(2021年製作の映画)
4.4
復讐と正義2つの怒りの炎が交錯する。
麻薬取引現場を抑えた警察たちだったが謎覆面集団の奇襲で特殊部隊が全滅、途中で駆けつけた正義漢ボンは怒りの炎を燃やす…
ベニー・チャン監督作品。今作は"ベイビーわるきゅーれ"や"最強殺し屋伝説国岡"を撮った阪本裕吾監督が激推ししており気になって鑑賞、噂に違わぬ激アツアクション活劇で凄まじい熱量を感じた。主演兼アクション監督ドニー・イェン、スタントコーディネーターが谷垣健治監督と安定のアクションスタッフがもたらすパワーはもちろん、マイケル・マン監督"ヒート"を彷彿とさせる熱い闘気が画面一杯に溢れている。特に中盤市街地のカーチェイスシーンがダイナミックすぎて度肝を抜かれ、ラスト市街地での銃撃戦からの教会での一騎打ちは現代的でありながら熱量と興奮が高まりすぎて震える面白さだった。
また後半の展開は"ヒート"もそうだがクリストファー・ノーラン監督"ダークナイト"を彷彿とさせる。敵の親玉が自ら警察に捕まりにいき罠を仕掛け主人公家族を恐怖に陥れるのはほぼ同じであるし、ラストバトルでンゴウが言い放つ"あの時あなたがオレの立場だったら一緒なことをしただろう"というセリフは、DCコミックスのバットマンとジョーカーの関係性と酷似。行き過ぎた正義漢警察と悪党は紙一重…この後味はめちゃくちゃ渋いしカッコいい。
往年のアクション映画要素を取り入れながら現代アクションの最高峰とも言うべきビジュアルを見せてくれたベニー・チャン監督は流石。この熱量と興奮、こんなアクション映画はなかなか見れない。
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