ShinMakita

ユー・アー・ノット・マイ・マザーのShinMakitaのレビュー・感想・評価

1.8

ハロウィン直前のアイルランド、ダブリン。女子高校生シャー・ディレイニーは、双極性障害を患う母アンジェラと脚の悪い祖母の3人で暮らしている。朝、遅刻しそうになったシャーは、アンジェラの運転でクルマで送ってもらった。が、放課後学校の外に出てみると、ドアを開け放したままの母のクルマが放置されているのを発見。母アンジェラが失踪してしまったのだ。警察も来たし叔父アーロンも駆けつけて、街中を探し回るシャーだったが、どこにも見当たらない。そして翌日……
しれっとアンジェラが帰宅する。病気が悪化して記憶がぼんやりしているようだ。しかし派手な服に着替えて踊ったり台所で歌いながら料理したりと躁病相が強くなっている。シャーは薬局でリチウムを処方してもらい、母に飲ませるのだが…


「ユー・アー・ノット・マイ・マザー」

以下、あなたは私のネタバレじゃ無い。


➖➖➖

最終日にようやく未体験ゾーンに参戦。アイルランドの「取り替え子」伝承に則ったホラーです。精霊が人間の魂を盗み、「別人」を現世に送り込むという伝説。「本人」を取り戻すには、「別人」を火にくべるしか方法はない…というルールです。

子が(妻が)精霊に囚われて取り替え子になったと確信し、家族を焼殺しちゃったという事件が実際にあったようで。本作は、元々母親が精神疾患を持っていることから、主人公が「取り替え子」をなかなか信じることができないというのがミソになっています。

描写に気合いが入っているのは解りますが、出来は凡庸。アンジェラの化け物ぶりより、いじめっ子のケリーが極悪過ぎる方がよほどホラーだったな。ちょい太めのスザンヌがナイスキャラ。リチウムの作用・副作用も分かるので、医学生は見るべき一本。
ShinMakita

ShinMakita