このレビューはネタバレを含みます
ジュブナイル作品かと思いきや、かなりハードなサバイバル描写もあり、明確な敵などはいなくても何もない孤立した状況を生き残る過酷さも描かれており、いわゆるディザスタームービーの側面もありました。
少年少女たちが内に抱えている過去を乗り越えていくのが本筋ですが、本質的なテーマとしては消え去っていくノスタルジーな文化や施設に想いを馳せる、大人たちに向けた内容かなと感じます。
アニメーションは非常に丁寧で、脚本面もメインの2人を中心に据えて一本筋が通っており、理解しやすかったです。
ただその分周りのキャラクターたちのバックボーンが薄くなってしまい、特にレイナは終盤までただただ場を掻き回す存在になっているのがもったいなかったと……最後はしっかり印象も変わりますが。
総合的には完成度が高く、幅広い層に観てほしい作品ですね。