ゆず

聖闘士星矢 The Beginningのゆずのレビュー・感想・評価

聖闘士星矢 The Beginning(2023年製作の映画)
3.5
マイロック役マーク・ダカスコスが素晴らしい。スマートでダンディーな"戦う執事"。車やVTOL機の操縦のほか、銃を使って格闘戦もこなす。
彼がすごいのは"小宇宙(コスモ)"の力を一切使わずに悪の組織と渡り合えるところである。マジでなんなの?劇中で一番その強さに惹かれるキャラクターだった。おいしすぎるでしょ、この役は。

もちろん主人公の真剣佑も良かったと思う。鍛えられた肉体に裏付けされたアクション。制作陣はおそらく真剣佑を美しく撮ることにこだわったのだろう、イケメンっぷりも最大限表現されていた。
コミカルな演技なども求められる役で、その辺りはまだまだ成長の余地が残されていると感じた。
まあその辺は、脚本家や監督との共同作業でキャラクターを作り上げていくのだろう…。主人公・星矢の性格が掴みづらい、あまり魅力的ではない、というのは少し残念なところか。
代わりに何故かマイロックが輝いて見えたが…?

脚本といえば、ストーリーが素直すぎるくらいに素直である。例えば修行パートが始まると順調に強くなる…みたいな。もう少し予想を裏切るような展開や、どうしても越えられない強大な壁とか無いのかよ…と思った。
一応ヒロイックな展開にはなっているが、浮き沈みが足りないのだろうか?

作品全体の彩度の低さもあまりよろしくないと思う。アニメはもっとカラフルだったと思うが、実写版はダークカラーでまとめている。
原作の忠実な再現を間違えるとコスプレっぽくなってしまうが、もう少しマンガっぽさがあってもよかったのでは?
そりゃあみんなカラフルなスーパーマリオ観に行くよ…と不人気も納得してしまう…。

メディアでは"大爆死映画"なんて言われているが、動員の話なのかショーン・ビーンのことなのかは、自分の目で確かめてほしい。
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