Ninico

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのNinicoのレビュー・感想・評価

3.7
日本が誇るキラーコンテンツ『スーパーマリオシリーズ』を、『怪盗グルー』や『ミニオンズ』などのヒット作を手がけたイルミネーション・スタジオと任天堂が共同でアニメーション映画化した作品。
イルミネーション創業者で『怪盗グルー』シリーズなどを手掛けたプロデューサーのクリス・メレダンドリと、京都が誇る任天堂の代表取締役フェロー宮本茂のクレジットが眩しい。
監督も『ミニオンズフィーバー』のマシュー・フォーゲルとあって、ストーリー、映像、キャラデザ、キャラの動き、ギャグのパターン、諸々全てがミニオンズ的で、大人でも非常に観やすい。日本のオタク文化的な匂いは一切なし。音楽も往年のディスコのヒット曲が使われたり、ゲーム音楽を音色そのままにサンプリングした楽曲が随所に使用されたり、遊びが洒落ている。

設定も秀逸。マリオが水道管工事の個人事業主とは想像だにしなかったが、その事業立ち上げの背景や兄弟、家族の関係までしっかり描かれていて、ルイージを助けるための冒険を意味深いものにしている。

ゲーム作品へのオマージュも切り口が新鮮で、強烈。私はゲーム好きでは無いので子供の頃友達の家でやった3本くらいしかわからなかったが、ゲームプレイ中の特徴的な動きや仕掛けが物語の中で自然に出てくるのが面白かった。
ゲームに詳しくなくてもアラサーアラフォーなら初期マリオやマリオカートくらいやったことがあるだろう。だからこそ劇中の戦闘シーンに共感を持ってのめり込める。これは、大してゲーム好きじゃなかった私がこのシステム懐かし!と喜んで観れたことが如何にこの日本でマリオというコンテンツが屈強で、この映画が幅広い層を没入させる力を持っているかということを物語っている。

映画の後、見知らぬ子供たちは大きな声で感動を興奮気味に口にしていたが、ハッキリ言って私も同じくらい楽しんだ気がする。
エンドロールの音楽が素晴らしいので是非音の良い映画館で。
Ninico

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