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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのYKのレビュー・感想・評価

3.5
マリオとルイージがピーチ姫を助けに行く映画。ではなくて、マリオとピーチがルイージを助けに行く映画だった。配管工という原作設定をなぞり、兄弟で水道管工事の出張に出るシーンからはじまる。そのお金持ちの家でドタバタコメディチックな1件が済むと、親に認められたいという苦悩を抱えたマリオのドラマチック要素が加えられ、あれよあれよという間にルイージがさらわれる。マリオは、土管でワープしながらいろいろな世界を旅し、クッパとの最終決戦に挑む。ストーリーはそれ以上でも以下でもない。

サービス精神は旺盛だ。「スーパーマリオブラザーズ」だけでなく、ドンキーコングやマリオカートを思わせるシーンも盛り込まれ、あんなキャラクターやこんなキャラクターが映画を盛り上げる。ゲーム画面風の横スクロール映像や、各種アイテムを使ったマリオの変身も、ファンにとっては嬉しい要素ではないだろうか(知らんけど)。劇場では、映画を観終わった親子がマリオの感想を語り合っており、子どもよりも親のほうが興奮していたのも面白かった。まさに老若男女だれでも楽しめる映画。ただ、「誰でも楽しめる映画」ほどおもしろくないものはない、とも思う。アニメーションの出来には申し分ないが、90分にすべてをまとめて乗り切る向こうのやり方には共感できない。クセがなくて無味無臭という感じ。
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