Gack獅子

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのGack獅子のレビュー・感想・評価

3.2
この映画はファンダム映画の難しさが現れた作品。映画としての面白さは0に近いものの、マリオシリーズの映像化という意味では100点に近いという矛盾した印象をうけた。個人的には近年みたアニメーションで1番つまらなかった。
とにかくゲームの世界観を落とし込むという点がこの映画の唯一にして他のゲーム原作物映画と比較してもポジティブな要素。ギミックや小ネタの処理という点においては優秀。ただそれしかない。あとは子供じみたギャグシーンとテンプレ的に処理されるストーリーしかない。
ここであえて王道と言わないのは、王道はあくまで一定の一般化された法則を当てはめる結果生まれるモノだと思うからである。この映画は違う。ただのテンプレ採用だ。「こんなシーンいるよね」で採用されたとしか思えない、だからこそ導入から終わりまで一個一個のシーンが雑でぶつ切り感が否めない。この映画では、ストーリーの為にギミックがあるのではない。ギミックが成立する為にストーリーがある。
ここでもう一度褒めるが「マリオの世界観を落とし込む」ことに関してとても拘りも丁寧さも感じる。ただしそれが一本の映画としては成立してない。マリオファンはもちろん満足いく作品だろう。しかし映画の質としてはとてもじゃないが満足できない。そこでいつもは原作ファンがよく言うセリフを、映画から言わせて貰おう。「これ映画化する意味あった?」
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