プレコップ

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのプレコップのレビュー・感想・評価

3.7
観客をなにも考えさせずに楽しませるために、繊細で作り込まれた世界観を実現させたハイクオリティのアニメーション映画。

マリオブラザーズシリーズの小ネタまでを含めた誰でも楽しめるエンターテイメント作品。親の親世代から孫世代まで3世代で認知されている世界的なキャラクターはかなり限られるが、マリオはもうそのレベルにまで達している。そのキャラクターバリューにクオリティの高い作品を量産するイルミネーション・スタジオが絡めば、「スーパースター」並みに無敵である。昨年の世界的なヒットは当然の結果だと思う。

そんな本作を今更ながら観てみたが、まず、冒頭の展開はほぼボブ・ホスキンスマリオ(「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」,1993)を圧縮させたような感じだったのが面白い。あと、マリオはスーパーキノコが苦手っていう設定が新鮮。

本国版の声優陣はいわずもがなの豪華メンツで、特にクッパという化けの皮を超越するジャック・ブラックの存在感が最高。オーケストラバージョンになった近藤浩治によるお馴染みのゲーム音楽も大満足の出来でした。レインボーロードのグラフィックも凝っていて、映像面ではここがハイライトだった。

「軽チャー」とでもいうべき、いい意味で軽薄なストーリー運びが心地よさをもたらす。逆にいえば、観た後に特段なにか残るわけでないけれど……
強いて言えば、囚われず戦うピーチ姫っていうのは、「トイストーリー4」的な時代であることを実感させる。
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