黒人の少女が街を牛耳るヴァンパイアと闘うティーンムービー。Filmarks評価は低いけど私はとても好きです!!
アクションやCGがとてもチープなんだけどもそれが90年代の学園ホラーっぽくて味わいがある。『バッフィ ザ・バンパイア・キラー』となんというかバイブスが近くて良くも悪くもこのくらいのレベルの映画。確かに上手くないけど憎めない、という。かわいいやつ。
「なんでもかんでも黒人文化に結びつけて」「ポリコレ〜」という感想も多いけど、ティーンホラーは彼らの恐怖が具現化されたものなのでどれだけこじつけるか、が肝なわけで。まぁそんなもんだろ、今までもこれからも、という感想なのでこういうのどんどんもっとやってほしい。
あの時代のホラーを黒人ティーンの身の回りにある「恐怖」に置き換えて作ったらこんな感じだよね。
一つの自然災害であるハリケーン・カトリーナによる被害が貧困層の人生にどれだけ長い間影響を与えているのか、というシリアスな話をヴァンパイアを絡めて寓話的でポップにしている所がとても好き。団地とそれをめぐる都市伝説的な存在、というところでは『キャンディマン』も思わせるし、『ブレイド』や『クィーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』なんかの黒人ホラージャンルへの目配せもあるように思う。
去年の今頃、黒人ホラーがたくさん公開されてたあの時期に配信された作品と聞いてとても納得できる。黒人の歴史をモチーフにしつつとても馬鹿馬鹿しいし、何より私の大好きなバフィーに目配せしてて偉い。(とはいえ、ドラマ版のバフィーがやってる事と比べると全然レベル違いです。作り手の技術レベル、ジャンルへの愛情など全てにおいて。)
社会運動のダークサイドに触れてるのも私は自省的でいいと思う。やろうとしてる事が正しくてもやり方が汚ければそれは正しい道じゃない、という目線はどんな社会運動でもその中にいる人が自分達に厳しい視線を持っていないと行けないと思うので。