アラナとゲイリーは2人とも結構どうしようもない人間で、ハッキリ言ってバカ。そんな2人の日常は大して幸せなことが起きるわけでもないし、かと言って人生を揺るがすような大事件が起きるわけでもない。それなのに、そのひとつひとつがキラキラと美しくて、羨望すら覚える。70年代の素晴らしい音楽に彩られるLAで繰り広げられる青春の日々には心打たれました。
フィリップ・シーモア・ホフマンの息子クーパー・ホフマンは父の面影を感じる素晴らしい役者だったし、アラナ・ハイムも心奪われる魅力に溢れた演技でした。ショーン・ペン、トム・ウェイツ、ブラッドリー・クーパーの役所も全員バッチリすぎるハマり方で最高!
クソみたいな人生だからこそ時折輝く瞬間がとてつもなく愛おしい。そんなことを感じさせてくれる愛すべき傑作でした。