かーな

リコリス・ピザのかーなのネタバレレビュー・内容・結末

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

少年は、大人の女性に憧れるけれど、大人って思ったよりも大人じゃない。
少年も、時には大人の顔を見せる。

そんな大人でもない大人と、子どもでもない少年がすれ違い、惹かれ合うお話。

子どもの頃は自分が中心に世界が回っているように感じていても、大人になると自分は世界の端っこにいるだけだと気がついてしまう。
少年たちと一緒にいる時、彼らの若さや馬鹿さに呆れ笑い、はっと我に返り距離を置き、そんなアラナの気持ちの揺れ動きが伝わってくる。
まだ大人になる(年齢上は)前に見ると違う感想が出てくるのだろうか。

ゲイリーは早く大人になりたい。
背は高いけれど、ニキビの目立つ顔や立ち居振る舞い、考え方に幼さが残る。
アラナの気を引きたいゲイリーの行動は時に滑稽だけど愛すべきものだ。

お互いを思い、それぞれに全力疾走するふたりがラスト思いをぶつけるように衝突する。映画館では007がかかっている。
夕空をバックに映し出される2人の姿がロマンチック。

エンドロールを見ていたところ、アラナの家族は本当の家族たちが演じていることに驚いた。
『ファントム・スレッド』に続き、本作もジョニー・グリーンウッドが劇伴。
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