Skynoaka39

ゴッドファーザーPART IIIのSkynoaka39のレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)
4.0
正しく「終幕」のPART Ⅲ。
PART Ⅰ、Ⅱを通してマイケルに情を抱き過ぎた私にとって、今作は涙腺崩壊ポイントがいくつもありました。

マイケルと彼のファミリーに主な焦点に置いた今作。特徴的な目の据わりは鳴りを潜め、病魔にも襲われ、心身ともに疲弊していく彼の姿には同情を禁じ得ません。
そんな彼の姿を痛切に演じたアル・パチーノの演技力はもはや圧巻でした。
今作もまた、父ヴィトーや後継者のヴィンセントと、マイケルとの対比で、彼の苦境が描かれています。
結局、マイケルは何を得て、何を失ったのか。それを考えると辛いラストですね。PART Ⅲのテーマは「独白」だと思います。

そしてギャラの関係でいつの間にか亡き人となっていたトム…。Ⅰ、Ⅱで良い役回りをしていただけあって、残念です。

教会の汚職問題や暗殺事件は実際にあった出来事らしく、これら時事問題と本編とのリンクは違和感を感じさせず、よく出来たシナリオでした。
ただ一方で、現実を反映した事で妙なリアリティが生まれ、 Ⅰ、Ⅱと作風が変わってしまった要因にも感じます。

私の葬儀では、「カヴァレリア・ルスティカーナ 間奏曲」をかけてもらおうと決めた終幕でした。
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