Nobu

ゴッドファーザーPART IIIのNobuのネタバレレビュー・内容・結末

ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


【トップの持つ“優しさ”と“強さ”】

55本目(映画100本観るぞ企画)は
「Part3も必ず!」と勧められた
アメリカ映画『ゴッドファーザー Part3』(1990年)

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ファミリーのドンとして君臨していた
マイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)は
バチカンへの接近とともに
違法ビジネスからの完全撤退と
合法ビジネスへの転換を図っていく

長男アンソニーは
マイケルのビジネスを継ぐことを強く拒否し
大学を辞めてオペラ歌手への道を歩み始める
陰ながらそれを支えていくマイケル

長女メアリーは
ヴィトー・コルレオーネ財団の代表として
父の傍にいた

甥にあたる長兄ソニーの息子ヴィンセントは
父親の気性の荒さを引き継いでいて
新興ボスのジョーイ・ザザとの対立を深めていく

バチカンの利権が絡み合い
マイケルの想いとは逆に
抗争が激化していく
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組織の合法化とこれまでの人生の贖罪
合法化により利権を奪われたくない者たちの暗躍

マイケルだけが“違法”な世界から
足を洗うことを許さないとでも言うように
抗争の中へ引きずり戻していく

ヴィンセントに跡を継がせるが
マイケルがその条件に出したのは
両想いであるメアリーと別れること

トップに立つものは
自分が狙われるだけでなく
愛する者も同様に狙われることが分かっていたからだ

ヴィンセントの手配により
抗争は終結するかに見えたが
最後は殺し屋の凶弾が
マイケルの傍にいた最愛のメアリーの胸を貫いていく

歴史がこれまでの代償を求めるように
自分ではなく
最愛の娘の命を奪っていく
これ以上に辛い罰はない…

家族を護ろうとして
本来持つ“優しさ”を封印し“強さ”を優先させ
皮肉にも 家族が離れていく…

何かを護るための非情という“強さ”
そんなトップの持つ心の中の葛藤に
トップ以外の人間が気づけるのは稀なこと

何も護ることのできない偽物の“優しさ”
それは単なる“弱さ”でしかないのに
感性のない人はそれを素敵だと思ってしまう

“強さ”の裏にある“優しさ”に
いつも気付ける人でいたい

本当の“優しさ”を隠した“強さ”を
いつも持ち続ける人でいたい

メンバーに気付いてもらいたいという
“甘え”と闘いながら…

『いい人』『優しい人』だと思われたいという
“弱さ”に抗いながら…

トップを生きていく

~【映画055】ゴッドファーザー Part3~

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