えいこ

ゴッドファーザーPART IIIのえいこのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)
4.7
シリーズ3作堪能。
随分昔に見て、よかったという記憶はあるが見事にストーリーを忘れていた。

マイケルはすっかり年をとり、時の経過とともにコニーやケイともわだかまりを超えた関係に落ち着いている。ダイアン・キートンのスタイルは、いつもホントに似合っていて素敵。マイケルは、様々な犠牲を払いながらも〝ビジネス〟を合法的に維持拡大する中で疲れ果てている。力は大きく、頭も働く。頼りにもされている。その様はかつてのビトのよう。ファミリーの盛大で親密なパーティやクリスマスパレードの様子も懐かしく切なく美しい。

修道院での懺悔のシーンは、カットも背景も美しく、本作の中で最も好き。シチリアの美しい風景の中で寛いだマイケルとケイが再び心を寄せていくところでも泣く。あれほど冷徹で非情だったマイケルの衰えが哀しい。オペラ座の場面など荘厳な舞台と音楽は素晴らしく、オペラの進行と同時進行で高まる緊迫感。憔悴していくアル・パチーノの演技、特にクライマックスの表情は凄い。

個人的にはビンセントとメアリーにあまり魅力を感じず、脇の面子がI、IIに比べると弱いかも。

ともかく3作とも、3時間弱という長さを全く感じさせない壮大で濃厚な映画的魅力に溢れた名作。
えいこ

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