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ゴッドファーザーPART IIIのヨウのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)
4.1
前作からかなりの時間が経っていて、お馴染みの人物皆がお年頃を迎えていることに驚いた。相変わらず時間にとらわれることなく没頭できる内容となっているが、今作は前二作と比べて作風がちょっと異なる感じがする。マイケルたちは引退のときを迎え、次世代の人物たちの活躍が目立った。時代設定のせいもあり仕方ないことだが、シリーズを引き立ててくれた主要人物たちをもうちょっと登場させてほしかった。自らの人生を省みて懺悔の心をみせるマイケルには感情移入してしまう。二作目では最悪の展開で終わったケイとの関係も修復の兆しがあらわれる。マイケルとケイがお互いの心をさらけ出すシーンは心打たれた。悟りを開いたようなマイケルの様子が描かれ、全体的に悲壮感に溢れる雰囲気であった。オペラとともに繰り広げられる最後の粛清劇は見ものである。でも今作はかなりのバッドエンドじゃないかな。あんな展開になるとは思いもしなかった。そしてマイケルの終わりの時が杜撰に扱われていたのは残念である。裏社会で残酷な行いをしてきたマイケルはああなる運命だったと捉えるしかなさそうだ。至らない点もみられるが、うまい具合に完結したつくりとなっており、シリーズを締めくくるのに一応の成功を収めたといってもいいだろう。
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