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三度目の、正直のunkoのレビュー・感想・評価

三度目の、正直(2021年製作の映画)
3.3
東京藝術大学大学院映像研究科出身。
先生は黒沢清、先輩は濱口竜介と共に、数々の映画に携わる。
そして今作が長編デビュー作品。

月島春(川村りら)と野田宗一郎(田辺泰信)は再婚して、父方の連れ子の娘がカナダに留学する。
そこでも夫婦で揉め、家庭は崩壊している。自身の子供を産むことができなかった過去を持つ春はベンチで黄昏ていると、謎の青年、月島生人/樋口明(川村知)が気を失って倒れていた。
春は記憶喪失の青年を家に迎え入れることを決心するのであった…。

野田宗一郎の娘、野田宗一郎、月島生人/樋口明、月島美香子(出村弘美)、春の母、明の父、皆家族やしがらみから解放されたい欲に溢れている。
残された側を考慮から外すと新しい人生への踏み出しとして希望が持てる展開だが、月島美香子には幼い子がいたりする。
明は父親がそのように逃げ出したことで、苦労しているし、どの目線で物語を観るかによって感じ方が異なる。
それぞれ解放されたい理由が存在するが、特にラッパー夫妻はどちらも逃げ出したくなる気持ちがわかる笑
月島毅(小林勝行)は何でもかんでもラップに乗せて伝えてくるんじゃねえとも思うし、美香子の意味不明な言動も耐えきる自信がない。

また些細なところでは福永祥子演じる春の母親の言動が凄くリアル。私の祖母もすぐに疲れた、1人になりたい等、まさに真に迫るテンションで同じような台詞を言う。監督の実体験なのかなと感じるほど。

個人的には本作好きな話ではなかったが、ラップは少し笑えたのでそこは良かった。
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