第34回東京国際映画祭 9本目
海を見たことない妻や幼い息子のために、ベランダから海が臨めるアパートに引っ越す途中で交通事故に遭い、妻と息子を亡くしてしまったボラン
彼が意識不明な間にベランダから見えた海は新しく建てられたアパートに遮られて見えなくなっていた
家族のためにと思って眺めの良いアパートに越したのに、家族を失い、その思い入れのあった景観も失う
自分のせいで家族を失ってしまったという自責の念もあるけど、その怒りの矛先を事故の相手にもぶつけて少しでもやり切れない気持ちを和らげようとするボランの苦しみが痛いほど伝わってくる
景観が損なわれたことで訴えに行ったボランの担当をした警察がすごくいい
音楽仲間のボランに対する深い愛情もたまらなくいい