うめ

マイスモールランドのうめのネタバレレビュー・内容・結末

マイスモールランド(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

NHKドラマ版を見た。
チェーホフは
「悲劇は死ぬことではなく、生きることにある」と言った。
日本にいるクルド難民はまさにそういう状況。
ウクライナから引き受ける人々は「避難者」とか「避難民」と呼び、
「難民」と区別するこの国。
しかし、わが国は外国人労働者なしでは経済が成り立たない。実態は世界有数の「移民大国」である。

アイデンティティについて悩み傷つく主人公。
この国においてはクルド難民だけの話ではない。

たわいもないラーメン屋での会話シーンは
とても印象的。
どこにでもある小さな幸せがここに。
なのに、なぜこの一家が引き裂かれなくてはならないのか。

呆然と見つめる夕暮れの街。

途方に暮れるまま物語は終わっていく。
映画は終わるけど現実は終わらない。
何も変わらない。
苦しみの日々がただ続くだけ。

このままではいけない
何か行動しなくては
と誰もが胸を掻きむしられる
静かで強烈なラストシーンである。
うめ

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