埼玉に住むクルド人高校生の目線から難民申請者の厳しい現実を描く作品。
同世代の日本人となんら変わらないごく普通の高校生として愛や友情、夢を育み生活していたのにも関わらず、それまでの日常が理不尽に奪われて行き母国のアイデンティティに苦しめられる主人公に胸が痛くなる。
クルドという国や民族の存在や難民問題の実情を本作で初めて知ったし、このような苦しい立場で生活する人たちがいることを知って、自分がいかに日頃から当たり前の暮らしを送れているのかを痛感させられた。
難民や外国人に対して知識不足なのはしょうがないことではあるけど、そうした理解の無さによって悪意なく相手を傷つけてしまうマイクロアグレッションが劇中では多くとても不快感があった。こんな違和感と不快感の中日々暮らしている人がいると思うととてもやるせない。
