はちべえ

珈琲時光のはちべえのレビュー・感想・評価

珈琲時光(2003年製作の映画)
4.3
(2回目)+0.3
疲れていたのもあり、映画習慣を忘れかけていたのもあり、感情移入という危険な手段で鑑賞してしまった。2回目だから許してほしい。

「夢:不定形の物語」というのが全体に効いているなと前回のレビューを見て思いつつ。この映画はきっと、未だこの世に生まれ出ない胎児の夢だったのだろう。夢のなかで、夢から醒めないために珈琲を飲むのだ。

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(1回目)
街をアーカイブする作品

街の人々とのやりとりが、自然に映るのは本当に演技でないからか。生の人の営みが記録されていると感じた。

鬼子母神の、今はない駅の盛り上がりが映っていてしみじみとしてしまった。親が訪れてくるところはカメラポジも相まって"小津"だなぁと思ったが、それ以上に東京という街のイメージを生産しているという点において(小津がそれを意図していたかどうかは定かではないが)"小津"映画らしい。

パンの仕方が気持ちよかったです

眠るための牛乳⇄眠らないための珈琲
夢という形が定かでない物語⇄本という形が定かな物語

移動手段を描くことで、同じ鬼子母神(/早稲田)→高円寺(/神保町)の行き来でも冒険らしさがグッと増していた