ブラジルの4都市を巡り、街に対しての問いかけへ『街はだれのもの?』の答えを追うドキュメンタリー映画。
ストリート、スケボー、グラフィティ、露天商などに焦点を当てて、時にはイリーガルに自由に街を使い倒している人たちのインタビューからその答えを探る。
印象的だったのは壁面にグラフィックを描く人たちが口を揃えて『リスペクト』という言葉を使っていたこと。
『他人が描いた絵の上には描かない』や『場所へのリスペクトを込めてその場が楽しくなるように描く』などイリーガルな行為の中にもリスペクトがあって、それは本当に自分たちが信じていることを実行しているという表れな気がした。
決められたことを守ることも大事だが、それにがんじがらめにされて動けないより素直に行動する方がよっぽどかっこよく見えた。
また今回取り上げられたブラジルは
アメリカとは異なりグラフィック初心者のような人でも介入できる余地が残されているところが良かった。
街はだれのものでもないのだろうが、スケートボーダーやグラフィックでない人たちも『俺の街』『私の街』と言えるように、多様性を認めながらそういう人たちの居場所を作りたいと思った。