たむ

ダイアナ:ザ・ミュージカルのたむのレビュー・感想・評価

2.0
アカデミー賞の季節、という事はラジー賞の季節でもあるわけですが、今年の最多ノミネートはNETFLIXオリジナルのミュージカルです。
NETFLIX マッチ度97%と何故か私とマッチしているのですが…。

ダイアナ妃の生涯をミュージカルにした作品で、舞台の上演を複数のカメラが撮って再編集したもので、日本のゲキシネと近い製作過程を経ているようです。
ダイアナ妃の生涯を描き、イギリス王室も出て来ますし、エンドロールでコロナ禍での舞台と映画の製作を観せられると、かなりの苦労の末生まれた作品なのかもしれません…。

しかし、何なのでしょう、この作品…本当に舞台を撮っただけのようで、驚くほど主人公がダイアナ妃に似ていない!
最初ヒラリー・クリントンさんが出てきたのかと思ったら、まだ10代の設定!
この辺りの映画にすると無理がある配役となかなかに狭い舞台が装置で背景などが変わるのですが、なんともしょぼい。
なによりも歌詞がひどい…。
その言葉で歌って踊るか?と思うシーンが度々出てきます。
ちゃんと映画用に撮っていれば、観られた作品になったかもしれませんが、舞台をただ映しただけで、失笑してしまうシーンが多々あります…。
最も凄いのが、ダイアナ妃とカミラ夫人のケンカのシーン…。
周りの客が煽るわ、罵り合いは歌だわ、凄まじい珍シーンになっています…。
ダイアナ妃の人生は、ドラマとして多くのテーマを持っています。
『エビータ』のような成功例もあるのですが、この作品は少なくとも映画に焼き直しが出来ていないため、ツッコミながら観るのに最適な作品となってしまっています。
しかもNETFLIXで検索すると、一緒にあの超重厚な『ザ・クラウン』が横に出てきてしまうのも不運なマイナスです…。
ダイアナ妃の人生の映画は、『ダイアナ』も失敗しましたし、『スペンサー』に期待したいところです。

日本では『大怪獣のあとしまつ』が絶賛大炎上中ですが、アメリカにもなかなかな炎上な映画がありますね。
たむ

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