ブラックユーモアホフマン

ユニのブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

ユニ(2021年製作の映画)
3.4
序盤はヤスミン・アフマド作品も想起したが、脚本も演出もそこまでの魅力は感じられなかった。

主人公ユニは成績優秀で教師からは大学進学を薦められるが、結婚話がいくつも舞い込み、親はユニに勉強するより結婚して欲しい。それとはまた別にユニのことが好きな男の子もいて、とユニの頭を悩ませる色々が起こる話なのだけど、ぼーっとユニが無気力な感じで悩んでる時間が長くて多くて。現実に悩んでる人間は確かにこうかもしれないけど、映画の中では何か行動してくれないとな。悩んでる顔映されたって何も伝わらないんだよな。

唯一、紫色がちょっと病的なまでに好きっていう設定は面白くて、知らない土地の知らない人たちの話だと正直、登場人物の見た目の区別がつきづらかったりするけど、画面に紫があると、あそこに主人公がいるんだな、という目印にもなっていたし、単純に画面に彩りも添えていて美しかった。ただこれも脚本的に上手く活かされているかというそうでもなく。あってもなくても話自体にはそこまで大きく作用しなさそうなのが残念だった。

【一番好きなシーン】
狡猾な手段で結婚せざるを得ない状況に追い込まれてしまった友達の、結婚式で演舞みたいなのを踊るシーン。