このレビューはネタバレを含みます
どこから話せばいいかわからない。放心状態。
彼の半生を追体験しながら、投下を中止するチャンスは何度もあったけれど、作ったからには突き進んでしまう理由もわからなくもないというか、彼の繊細さやそれゆえの脆さや不安定さとか、他人との関わりとか、本当にちょっとしたことの積み重ねで、こうして何十万もの人が死んだし、もっと他の道はなかったのか、でも、これ以外の道はなかったのかもと何度も考えてしまう。
彼の精神や倫理感や知的好奇心とともに観客の心情も揺れ動く。
正直彼が原爆の被害を追体験するシーンでは、原爆被害の描写が実際よりもすごくライトに描かれてると感じて、一日本人として違和感を覚えるところあった。（あくまでも個人の意見）
ただ、ある種原爆投下が間違っていたと言う結論に辿り着く映画が、アメリカで大ヒットしてアカデミー作品賞とることはすごく意味があることだと思う。
かなり予習して観に行ったけど、後半は政治的な争いが多く、勉強不足で身を入れて観られなかったところがたくさんあるので、改めて振り返って勉強してまた観たい。
ただ、本当に辛いシーンもある。少なからず原爆の被害を知っている日本人の文脈から観ると。だから絶対観てとは言えないけれど、観て損はないと思います。
