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オッペンハイマーのiamrikaのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.1
原爆の恐ろしさを伝えるための映画ではなく、オッペンハイマーという天才科学者の伝記映画と思うと、興味深かった。
量子力学を極める博士が、実験を進める過程で政治に巻き込まれ、メディアによって原爆の顔となり、自国に利用される、など。クリストファー・ノーラン作品の中では比較的理解がしやすくて安心。
紫外線予防のみで守備の甘い関係者達が原爆の投下試験を囲むシーンから、「原爆=アメリカが失うはずの命を守るための新進気鋭ウェポン」として祭り上げ、いかに被害の規模を舐めていたかが読み取れる。日本人なのでもちろん苛立ちは覚える。
「広島長崎の人が憎むのは、原爆を生み出した人ではなく、支持した私だ」という大統領の堂々たるセリフが、憎かった。
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