敗戦国仕草でビデオスルーされかけた作品。ノーランじゃなかったら100％ビデオスルーかそもそもフィジカルも作られなかっただろ。
原爆論争に関しては戦犯ヒロヒトが”広島市民に対しては気の毒であるが、やむを得ないことと私は思っております。”と言っているんだからもう話は終わっているよね。馬鹿な国民の行き過ぎた反応には飽き飽きする。
ということで、伝記作品らしくオチは分かっているのをどう持っていくか。
オッペンハイマーの嫁と愛人の女軍団のキャラの濃さとかもういいですよね、政治家の嫁みたいな豪傑な嫁に、なんか慰めて全肯定してくれるのに捨てたら死んでしまう愛人。いい味です。
で、オッペンハイマーの政敵が見栄と権力のためにきったない政争をするのも面白い、結局負けるし。
オッペンハイマーも狂信者とともに狂ったようにマンハッタン計画を推し進めている時間もいいし、その後の葛藤もそのとおりであると思う。
そもそもナチに向けていた爆弾を使われるまで降伏しないほうが悪いんだよな本当に。
ノーラン的な目新しさは特にないけど、まあ美しいわね。いい監督ですね。
あと、テラーがベニー・サフディなのいいね。アンカット・ジェムズ面白かったよ。
