オッペンハイマーの13untaのレビュー・感想・評価

映画が人間の肉眼や耳で知覚可能なマクロ表現である以上、五感で感知されないミクロ事象をマクロ化することは主人公同様(しかし全く逆の意味で)不得手であり、彼の幻視していたミクロ・ユニバースがもたらす現世の惨状が映されずにラスト数カットで将来のマクロ事象と思しきイメージすら俯瞰で宇宙から見下ろすことしかされないのも、映画という表現技法の手に余る題材に対する態度としては誠実と言えるかもしれないセカイ系市民ケーン。