マンハッタン計画のリーダーとして選ばれたオッペンハイマーは、人類最初の核兵器をナチスに作らせるわけにはいかないと、国籍、政治信条を問わず、さまざまな才能を集めて、遂に原子爆弾を作り出す。それは第二次世界大戦の終結をもたらすが、戦後、オッペンハイマーを敵視するストロースは、オッペンハイマーの共産主義者との交友などを追及し、彼を歴史の上から葬り去ろうとする…というお話。
さまざまな時間軸が入り組んでいるので、正直、前半はわかりにくい。しかし、マンハッタン計画が成功し、オッペンハイマーとストロースの対立が深まる後半はスリリングで面白い。特に、ストロースを演じたロバート・ダウニー・Jrは、受賞式の件もあって、ストロースの悪辣な性格が生々しく伝わってくる。今回はIMAXで鑑賞したが、ロスアラモス国立研究所の全景や実験シーンには大いに効果を発揮している。しかし、人物のクローズアップも多い今作は全編IMAXで撮る必要があったのか疑問である。
