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オッペンハイマーの映画ファンのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.8
原爆の父と呼ばれたロバート・オッペンハイマーの半生をクリストファー・ノーランが映画化し見事オスカーを勝ち取った作品、池袋のIMAXGTレーザーにて鑑賞
冒頭の爆風の重低音からまず惹きつけられ、ロバート視点はカラー、ストローズ視点はモノクロと分けた事、また色調や画角を変化させたことで時系列が複雑に絡み合ってもさほど混乱せず集中できた
序盤で数多の星や粒子や波が度々挟まれるのは2001年宇宙の旅のスターゲートを彷彿とさせ、冒頭では省略されたアインシュタインとの会話が終盤重要な意図を持ってくるのは風立ちぬを思い起こさせた
聴聞会でジーンとのまぐわいを思い出したり、スピーチをする中で客席が原爆の被害を受けたかのようなイメージ映像が広がりロバートの脳内をそのまま視覚的に再現させたのが特徴的
中でも足元には死の灰と化した人間の遺体がしがみついてる場面は強烈、その後トルーマンに自分の手は血塗られていると語るとお前など取るに足らんと一蹴されてしまうパートは哀愁を感じさせられた
CGを使わず特殊効果で再現させたトリニティ実験では数分間無音で爆発の映像が流れた後、デカい爆発音が響き渡るシークエンスはまさに劇場ならではの体験だったと思う
シンドラーのリストと同じ7冠ということでノーランがこれでスピルバーグと並び、所謂映画界の巨匠なりつつあるなと感慨深くなった
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