Martita

オッペンハイマーのMartitaのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.3
私はこの映画を2回観た。しかも2回目は1週間もおかずに。素晴らしい映画だったのはすぐにわかったが、1回だけでは理解できなかったことが多すぎた。大体私は何も調べたりせずに映画を観に行くが、たとえ下調べをしたとしても、きっともう1回観たいと思っただろう。

60代の私にはある程度蓄積した歴史的知識はあって、ルーズベルト、トルーマン、J.F.ケネディという名前や、赤狩りという政策も常識として知っており、それらから当時のアメリカの社会情勢がどんなものだったか、また同時期にヨーロッパではどんなことが起きていたかはある程度は想像できる。それなのにこの映画は時系列がとてもわかりにくい。
ノーラン監督は一人称にこだわりがあるということらしいので、映画ではオッペンハイマーから見た時系列と、彼と敵対するストローズから見た時系列が交錯していく。これがわかりにくさの元凶だ。さらに登場人物が多くて、えっこの人誰だっけ?みたいなことがよく起こる。オッペンハイマーの個人的社交的生活での登場人物達と、実験に関わる科学者達と、原子爆弾や水素爆弾についての政策に関わる人物達を、正確に把握しながらストーリーを追うのが難しかった。
というわけで、ちゃんと映画を理解しようと思って、2回目を見たくなるのは私だけではないと思う。私は2回目は20代の娘と一緒に観た。若い世代と映画の感想を話せるのはとてもいい体験だった。
Martita

Martita