核実験のシーンで体の芯から滲み出る恐怖
…おそらく縦方向に広がるIMAXレーザーGTのスクリーンだからこその感覚
映画館のフォーマットによって得られる体験が変わってしまうことへの疑問…分かります
それでも池袋グランドシネマサンシャインと109シネマズ大阪エキスポシティでの鑑賞を推奨せざるを得ない
悲しいかなクリストファー・ノーラン監督の作品はフルサイズ画角のIMAXでしかその真価を発揮できないのです
良くも悪くもです
私は凡人なので
オッペンハイマー氏の苦悩は分かりません
女性関係も自由奔放だったり良い印象はありません
だから聴聞会の因果応報感は否めません
この作品が
オッペンハイマーという人物を知る作品としてどうなのか?
…正直微妙です
ある程度の人間関係とどのような出来事が起こるのかを知っている前提
最低限の情報がないと状況理解が難しいはずです
ノーラン監督お約束の時系列シャッフルで必要以上に話がややこしくなっている印象
また本作は白黒パートがあるのだが
その使い方がこれまた厄介
白黒=過去 …違います
白黒=戦後 …違います
白黒=ストライダー目線 …ほぼこれ
オッペンハイマーの主観がカラー
オッペンハイマーの主観外が白黒
鑑賞途中までは直感的には入ってこずやや混乱するも
大体はわかるので途中の時系列を正確に捉えられずとも
最終的にはちゃんと時系列を揃えられるぐらいのバランスにはなってます
(ただ迷子になって途中で諦める人も多い気がします)
実は全然複雑な話じゃないのに
時系列のシャッフルと白黒とカラー
ノーラン独自のルールによりただ複雑になっているだけなんです
きっとノーラン監督の頭の中では1番おさまりが良い形として構築されてるのでしょう
全然関係ないのですが
小林泰三さんの「酔歩する男」という小説があるのですが
私はノーラン作品で時系列シャッフルを見るたびにこの作品を思い出します
きっと監督自身がシャッフルした時間を酔歩してるんです
もう私のような一般人とは同じ時間の概念にはいないのです
フォロウィングの頃から監督お気に入りの時系列シャッフルですが
絶対に向いていない作品もあるわけで
少なくとも本作のような史実ベースの話とは相性は悪いと思ってます
それでも絵力とテンポでなんだかんだ観れてしまうのはノーラン監督の技量というか力技の成すところなのでしょう
冷静に考えると
これフルサイズIMAX以外で観たいのか?と
…たぶん観ない
結局私はノーラン作品が観たいのか?
ただフルサイズIMAXを浴びたいだけなのでは…
現在IMAXフィルムを1番上手に使ってくれるのがノーラン監督なのです
ノーラン監督のフルサイズIMAXを浴びたいだけなんです
だからそんな私は満足してます
にしてもグラシネのチケット争奪戦がキツいので首都圏にもう一つレーザーGT劇場作ってほしい…
って思ったけどフルサイズ案件って年に一本あるかどうかだから商業的に難しいのかも
ちなみに大阪エキスポシティのレーザーGTの方が体感凄いです
(スクリーンサイズはたぶん池袋なんですが座席の傾斜なのかな)
核融合や素粒子のシーン
キノコ雲が立ち上る核爆発など
どのように撮影したのか
CG以前の映画ではあたりまえの思考ができるのもノーラン監督作品
次回は普通にノーラン節が全開なSF超大作をお願いします
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[劇場]
グランドシネマサンシャイン 池袋
[鑑賞日時]
2024年03月31日(日) 08:20 - 11:35
[作品名]
オッペンハイマー【IMAXレーザーGT字幕】
[スクリーン名]
シアター12 IMAX2D.
[座席]
j-27