日本公開、待ってました。IMAXじゃなくて普通の映画館で観たけど、個人的には十分満足だった。
観る前は、楽しみでありつつも日本人としてどういう気持ちになるかと若干不安だったけれど、観終わって思うのはノーラン監督は日本への誠意を持ってこの映画を作ったという事。
もちろん、日本人として観るのが辛い場面は何箇所もあったけれど、それらのシーンで描かれていたアメリカ人の様子は、過度に脚色されたものではなく実際の反応を再現したものだろうと感じた。被爆国としての日本を意識するあまり、史実とは違う忖度をこの映画に盛り込んで欲しくないし、当時オッペンハイマー本人やアメリカ政府および世論が原爆投下をどのように捉えていたのか、可能な限り忠実に再現しようとしてくれたのではないかと思う。
…とは言っても、物語は日本人として受け入れがたい決断の連続であり、後半でオッペンハイマーが被害者のような描かれ方をされていた部分は正直同情できなかった。ドイツ降伏後の原爆使用についてはその意義を疑問視する声があったにも関わらず、最終的に広島と長崎に投下された歴史に、開発者として責任がない訳ないと思う。
以上は私の感想。一緒に観たアメリカ人の夫の感想はやはり少し視点が違っていて、原爆投下の意義についてはどうしても感情レベルで分かり合えないなと思う。(この映画とは関係ないけど。)
とにかく、観た後に自分はどう思うのか、色々な側面から考えさせられる映画です。
