ロバート・ダウニー・Jrの演技が特に素晴らしく、助演男優賞も納得だった。本作で特別出演しているゲイリー・オールドマンを彷彿とさせた。キャスト陣が豪華でどのシーンを切り取っても名優ばかりだった。役柄に入り込む凄さをみた。俳優さんってすげ〜
作品に関しては心理描写、時系列、視点の違い等がノーランならではだった。これにより、ただ一方向に流れる伝記映画とは違って、より劇場型の映画になっていたと感じた。アインシュタインが映ると和んだ。なんちゅう可愛いニット帽や
オッペンハイマーは帽子を被り、アインシュタインのハット帽を拾う。それはプロメテウスとなったオッペンハイマーが自らの行いを後悔していることの、神に謙遜するユダヤ教の慣習を用いたメタファーなのかなと思った。
ゼウスの怒りに触れたプロメテウスは、三万年もの間、山の頂に磔にされ、生きながらにして毎日鳥に肝臓をついばまれる拷問を受けた。それに、オッペンハイマーの苦悩を重ねたのだと思った。
大きな時代のうねりと個人、人類の進化と破滅、智慧とあっけなさ、個人が負う責任と苦悩 等について考えた。
