すごく価値のある、人類なら観るべき映画だとは思うけど、米国人だからこその描き方には正直違和感を覚えた。
オッペンハイマーは罪悪感を覚え、軍縮を訴え続けたのを主張したいのは分かるけど、日本人の視点だと限りなくご都合主義だと思う。
物理学を愛し研究したかったんだろうが、殺人兵器をつくっていることは分かっていたはずだから。
映画では結局日本に使うことだって賛成してたくせにそれをあとからどう使うか決める権利はないとか言い逃れされても同情できん。
果たして日本に知り合いがいても同じ判断を下せただろうか？
軍縮を訴えたのは自分が楽になりたかっただけとも捉えられるよ。
偉大な科学者だった一方、一生恨まれて生きていく宿命だったのだろうな。
流石に映像表現は素晴らしいが、内容が内容すぎて絶賛はできない。
どうしてこれをつくろうと思ったのか、米国人はどういう気持ちで観ているのか気になる。
何においても多面的な視点で見ることは難しいけど、それを改めて考えさせられた映画だった。
