「科学者は開発をしただけであり、使用すると決めたのは政府である」が、「監督はただ描いただけであり、判断するのは観客である」に呼応する
しかし、広島の翌日にスピーチに立ったオッペンハイマーの目には、白い光が、黒く焦げて消えた体が、爛れた皮膚が、原因不明の嘔吐が、歓喜するアメリカの向こう側に見える。バスケットボールのゴールが中央に映るこのシーンを観て、もはや監督はひとりの科学者の人生を描くだけでこの映画を終わらせるつもりが無いことに気付く
そして、この映画の最も美しいシーンで、オッペンハイマーはアインシュタインにはっきりと言う。「我々は世界を破壊した」と